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a friendly price

「フレンドリーな」つまり「好意的な」お値段ってわけですが、そう聞いたら、まず普通は、売る側から買う側への宣伝文句だと思うでしょ?「今月だけ、特別にフレンドリーなお値段で提供いたします!」なんてね。

それがそうじゃないのよ。という話を、ある翻訳者が紹介していました。

「ある翻訳会社から仕事の引き合いがあって、そこが特に強調するのが『フレンドリーな料金を提示してください』ということ。なんだ、これ!?フレンドリー?安くしろってことだろ。安い翻訳者は『友だち』ってことだろ。じゃー、高い翻訳者は何なんだ?あんたらの敵か?」

これは以前から、翻訳者の間で折に触れて話題になっていたことなのですが、翻訳者を徹底的に安く使おうとする翻訳会社は、「安い」とか「低料金」と かいう言い方を嫌うのね。それに対し、普段は高く設定しているけれど、ある仕事に限って安くしてほしいという、まっとうな翻訳会社は、きちんと「これこれ こういう理由があるので、低い料金しか払えません」と言うんだけどね。

買い叩き翻訳会社の場合、どんな言い方をするかというと、多いのが「ベスト・プライス」。これ、バックパッカーの間ではおなじみのセリフです。「ベ スト」って何が最高なのかと思うと、売る側がギリギリいくらまで下げるか、買う側がギリギリいくらまで出せるか、という値段のこと。

例えば、インド旅行をしていると、

What's your best price?

なんて聞かれるから、そうしたら、自分の頭の中にある数字を、例えば3などの適当な数字で割った値段を言う。そこから交渉が始まるのであります。つ まり、売る側、買う側のどちらも、ベストと言いつつ、実はぜんぜんベストじゃないわけさ。たとえ値段が書いてあっても、それは往々にして「見せ値段」なの で、「安くならない?」と聞いてみるのが定法です。ただ、高級店でこれをやると、店員さんに鼻でせせら笑われたりするけど。

でも、翻訳者の場合は、そこからの交渉がないみたいで、何十人もの翻訳者にメールを出して、翻訳者の履歴書の他の部分は全く読まず、料金がいちばん 安い翻訳者を選ぶという仕組み。これだから、劣悪な翻訳が出回るのは無理もない状況です。この現状を改善するには、発注する皆さんに、安い翻訳会社を使わ ないようにお願いするしかないんですけど、昨今の経済状態ではねえ。フー。

あ、話が逸れてしまったので、元に戻すと、私は Gmail に CHEAP!!/BAD!! というラベルを作り、料金が安い、詐欺っぽい、態度が悪い、などの引き合いメールには、そのラベルを付けてアーカイブに入れ、次回からはメールを読まずに そのままゴミ箱行きにしています。その手のメールでは、こんな風に best price を使う。

Emailfrommary110814

(CHEAP!!BAD!!のラベルの色はウン○色にしたんだよ!)

英語ネイティブではない人が書いているので、全く冠詞が使われていない変な文章ですが、ま、とにかく、best price を持ち出す会社は安いに決まっているので、返事は出さず、このラベルを付けてアーカイブへ。

それにしても、friendly price ってのは、初めて聞きました。なんの因果で、あんたに「フレンドリー」にしなきゃならないんだ?いつからあんたは私の友だちになったんだ?って、言いたくなるよね。

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