翻訳商売

コミュニティセンターで仕事

うちの近所ではもっぱら「コミセン」と呼ばれている。利用してますか?

子連れママがオシャベリしたり、オバサンたちがハワイアン踊ったり、定年退職したオッサンが将棋したり、そんなところだと決めつけているあなた。いけませんねえ。

もちろん、そういうことができる場所ではあり、会議室や和室や調理室や、いろいろ集会を開けるようになっています。でも、最近のコミセンはフリーランサーが仕事場に使えるぐらいに設備も「フリー度」も充実している確率高し。

私がよく利用するのは、スポーツジムに行く途中で寄る、ここ。

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3階建てて駅から徒歩5分。1階にコーヒーや軽食を注文できるカフェがあり、私はたいていそこで買ったコーヒー(200円)を持って、2階か3階のフリースペースに行きます。

フリースペースには壁に沿って設置されたテーブルと部屋の真ん中に置かれた丸テーブルがいくつかあり、WIFIがあるのでインターネットに接続でき、充電用のコンセントありで、しっかり仕事ができてしまいます。

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疲れたら、外の風景も見える。今日は曇っていて、あまり見えないけど。

フリースペースなので、話をしながら活動している人もいますが、それはスタバなどでも同じですから。ここなら無料。

いったいなぜ、わざわざ外で仕事するんだ?と疑問に思われる方もおられる?

いやー、それは猫と一緒に暮らしたことのある方なら、なんとなくおわかりいただけるのではないかと。なんかねえ。仕事をする気をそぐ動物だよねえ。猫というのは。「なんでそんなことしてんだか、わかんニャ~い」と言われているようで。「お前らのフードを買うためだよ!」と言いたいんだけどさ。

それに、うちではオッサンを病後、つい甘やかしたものだから、今や、一日に何度も、ギャオ~ギャオギャオ~(おやつ出せ~)と、わめくようになってしまいまして。

それで、スポーツジムに行く時刻の2時間ぐらい前に、家から逃げ出し、ここで仕事に集中!です。ホント。笑っちゃうほど仕事がはかどるんですよ。

追記:飲み物などの持ち込みもいいみたいです。ちゃんと確認していないけど、マイボトル持参率がかなり高いので。


スイスの役所のご威光

いやもう、ブッタマゲタよ。スイスの役所の威力はスゴイ。

昨年10月、スイスのバイオテクノロジーの会社からメールで翻訳の打診があり、メールの主である開発部門の人と何度かメールのやり取りをし、その会社についてネットで調べ、どちらも信用できると判断して、仕事を引き受けました。

仕事の途中で原稿の誤りを指摘すると、すぐに返事が来て、対応がとても良かったので、判断は間違っていなかったわけ。問題なく仕事を終え、担当者に請求書のpdfファイルを送り、それを受け取ったという返事もすぐに来ました。紙に署名した請求書も欲しいということなので、紙の請求書は経理宛に、EMSでスイスまで送りました。

ここまでは良かった。

ところが、12月になっても、銀行口座への振り込みがない。EMSだと配達を追跡できるので、日本郵便のサイトでチェックすると、確かに宛先まで配達されています。

担当者にメールすると、「ありゃ、変だな。経理担当者にきいてみるよ」とのこと。その結果、「経理のマックスが今、すごく忙しくて、年明けには必ずと言っているので、申し訳ないけれど待ってね」という返事だったので、年明けまで待ちましたが、何も起きず。

ちょっと腕まくり状態になり、担当者に文句言うのは見当違いだから、経理に直接メールしたのだけれど(担当者にCCして)、これに対して返事が来ない。しょうがないからまた担当者にメールしたら、またまた経理に話をしてくれて、「2週間待ってくれと言っている」。

これもまた空振りで、「とにかくマックスに返事をさせろ!」と担当者に強く要求。そうしたら、へんてこりんな英語だけど(この会社はドイツ系)、とりあえず返事が来て、またまた、2月末まで待ってくれ、なんて言っている。

そんなこんなで、担当者とマックスの両方にヤイノヤイノと催促をして、そのたびに、マックスからは「来週」とか「3月末」とかいう空約束の返事が来る。

もう請求書の日付から半年たったので、こりゃもう、きちんとしなくちゃね、というわけで、スイスでの債務取り立て方法を調べました。そうしたら、世界の翻訳者が集うサイトで方法が紹介されていたのだ。

詳しくはわかりませんが、とにかくスイスには各税務署の管轄区に、Betreibungsamt(これはドイツ語名ですが、債務処理所みたいな意味)という役所があり、オンラインの書式に振込先銀行口座などの必要事項を記入し、証拠書類を提出すると、少額の手数料で債務取り立てを代行してくれるのだそうです。

スイス国民ではないと、別の書類も必要かもしれませんが、とりあえず外国人にも対応してくれるとのこと。

ふ~ん、じゃあ、とりあえず、脅しをかけてみるかなあと。

「こんなこと、いつまでもやってらんないから、もう、Betreibungsamtの助けを借りるしかないよ」

とメールを出したら、

うわあ!2時間後に返事が!

「今日、振り込み手続きをします。こんなに遅れて、ごめんね」

それでもまだ半信半疑だったのですが、その翌日、銀行口座に振り込まれていた!

いやあ、脅しただけで効果が!まあ、ね、そんなにすぐできるんだったら、さっさとやれよ、マックス!と、またまた腹が立ったんだけど。それにしても、この役所のご威光はすごいねえ。

で、ちょっと調べたら、ここで債務返済の遅れが確認されると、その情報が他の役所にも伝わり、会社の信用自体に傷がつくので、それで恐れられているようです。

さて、メデタシメデタシなのですが、実は皮肉なことに、半年の遅れは私にとって幸運だったのであります。皆さまご存じのように、円安に振れているでしょ、ここのところ。ユーロ建ての仕事だったのでね。円にかえたら、かなりのプラスになりました。

障子の張り替えとGoogle翻訳

そろそろ年末が近づき、障子の張り替えを考えたりしています。もうだいぶ前から、貼りやすい障子紙や張り替え用の便利な用具(古い障子をきれいにはがすための液体とか)が出回り、素人でも簡単にできるようになっています。

そうは言っても、もちろんプロから見たら、「うわあ、汚いなあ」というようなデキにしかなりませんけどね。でも、大してきれいでもない家ですから、ちょっとたわんだような障子でも、ま、いいか、ということになる。わざわざお金を払って、業者にやってもらう必要はないかな、と。

そんなことを考えていたら、翻訳にも同じことが言えることに気づきました。例えば、次のような英文をGoogle翻訳で自動翻訳してみます。

We regret to inform you that your novel does not meet our publishing needs.

「我々は、あなたの小説が私たちの出版のニーズを満たしていないことを知らせるために後悔する。」

なんじゃこりゃ?というような翻訳ですが、ちょっとカンのいい人なら、「ああ、出版社に送られてきた小説の原稿を突っ返すんだな」と、見当がつくのではないでしょうか。

We regret..... というのは、ご招待を断るときなどの「断り文」に使う決まり文句で、「残念ながら」という意味です。We regret to inform は「残念ながら、お伝えしなければなりません」というニュアンスですね。Google翻訳さんはその部分を知らないだけで、後はまあまあ訳せているのではないでしょうか。

10年前に英語の知識のない人が訳そうとしたら、辞書を引いて四苦八苦しても、この程度の訳文にすら到達しなかったかもしれません。それが、インターネットでの自動翻訳という便利なものができて、変ではあっても、だいたいどんなことが書いてあるかはわかるようになった。

そこで、社内で会議に使う資料ぐらいなら、自動翻訳を使って、社員がちょっと手直しすれば、プロに頼む必要はないという考え方になります。そんなわけですから、自動翻訳とは明らかにレベルが違う翻訳で、外部に配布する文書やウェブサイトの文章として、そのまま使えるような日本語の訳文が書けない限り、翻訳で食べてゆくことは難しい状況です。

私が翻訳の仕事を始めた30年近く前は、ちょっと英語を読むことに慣れていて、辞書の引き方を知っていれば、仕事がありました(すご~く安かったけど、大量にあった)。Google翻訳とあまり変わらないようなレベルでもね。

今は、最初のとっかかりが難しい。卵さんたちから見ると、のっけから前に立ちはだかるのは絶壁!という感じかも。ただ、そのかわり、インターネットは翻訳の勉強も強力に支援してくれるわけですから、その点は、仕事をしながら試行錯誤を繰り返すしかなかった昔よりは、ずっとラクなはず。がんばって勉強してください。

ちなみに、上の例文は下のマンガの台詞をちょっと簡単にしたもの。

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copyright David Coverly (作者のウェブサイトはhttp://www.speedbump.com/

マンガの意味、わかりましたか?

エドガー・アラン・ポーをエドガー・アラン・タイポーにもじってあるのね。ミススペルのことを typo というので、それと掛けてある。

で、上の吹き出しの中の The Ramen というのはポーの有名な詩 The Raven を1文字だけミススペルしてしまった、という設定です。


いまだに迷走中の翻訳会社

以前に紹介したイギリスの問題ありあり翻訳会社。その続報です。またしても問題勃発!

例のイヤミな会計主任からメールです。オフィスそのままは2年前に一度仕事をしただけなのですが、翻訳者の登録簿には残っているから、登録翻訳者全員に一括送信したメールは送られてくるわけ。

新しい経理システムを導入しようとしたら、インストールがうまく行かなくて、データを旧システムに戻す作業中・・と言っているけれど、ホントかいな?と疑うのは、その次の言葉。

・・・・so that we can start to pay our suppliers again.

「翻訳者への支払いを再開できるよう」ってことは、またしても支払いが滞(とどこお)っていたんだよ!そしてさらに、

Coupled with this, [担当者の名前**]has been signed off work with stress.

ストレス(!!!)で**さんが担当をはずれた・・って、私が仕事を受けた後にも、こちらが知らないうちに担当が代わっていて、前回のメールでは担当者がクビになり、またですかあ?

さらに鼻がモゾモゾしてしまうのは、未払いの請求書を全部、新しい担当者に送ってくれって言うんだよ。経理システムがうまく機能していなくても、請求書のファイルは旧担当者がメールで受信したんだから、経理システムに入れる前に、どこかには残っているのが普通じゃないの?

「大きな金額から優先的に払ってゆくから、すぐに入金がなくても心配しないように 」とのことですが、もう、なんですか、これ。

翻訳者が集うサイトの翻訳会社評価でも、以前は評価が高かったのに、この1年間、支払いの悪さで評価がガタ落ち。

何度もご注意しておりますが、案件の引き合いがあったときは、最新情報を調べて、相手に問題がないことを確認してから引き受けましょう。

円建て払い

日本以外の国の翻訳会社や直接の顧客と取引があると、円高のつらさが身にしみる今日この頃。まあ、次の図をご覧ください。

Usd_yen_chart

Eur_yen_chart

ドルだけでなくユーロもボロボロの状態です。だからと言って、為替と連動した金額での支払いなんて契約書に書いてないしね。

それじゃあ、料金を上げてもらおうか、となると、なにしろアメリカもヨーロッパも経済があの調子ですから、値上げなんて言い出せる雰囲気ではありません。それに、新たに契約を結ぶ場合でも、通常の料金をドルやユーロに換算すると、とんでもなく高くなってしまい、そもそも、契約を結ぶこと自体、難しくなっているしね。

先日、3年ほど前から取引があるカリフォルニアの翻訳会社から、時給での編集作業の案件を受けました。契約を結んだときに時給料金も決めてあるのですが、これまでは翻訳だけだったから、時給での支払いは初めて。

メールで「いくら?」「契約書に書いてあるよ」というやり取りをしたら、次のメールで・・

「あの料金で大丈夫?先月、久しぶりに日本に出張したんだけど、なんでもかんでも高くて驚いたよ。前に行ったときは1ドル140円だったからね。おみやげ買うのに困ったよ~。

今回の料金、もっと高くてもいいけど?」

という、ありがたい申し出があり、なんと10ドルも時給を上乗せしてもらいました。小さい仕事だったので、時給10ドル上乗せしても、合計が大した額にならなかったからだと思うけどね。

でも、こんなことは例外中の例外。

そこで、できれば海外の顧客にも円建てで払っていただきたいものですよね。なかなか応じてくれるところはないのですが、日本支社があるとか日本企業から円で支払いを受けているとか、いろいろな理由で円を持っている会社の場合、円建て料金なら高い感じがしないので、新規顧客を獲得しやすいような気がします。実際、オフィスそのままでも、これまでに3社、そういう形の契約に成功しています。契約交渉ではとりあえず、円建て払いを要求してみてはいかがでしょうか?

確定申告:寄付金控除

フリーランス翻訳者だけでなく、給与以外の形で収入を得ている人にとっては、商売上の1年の締めくくりは年末ではなく、この時期です。

だいたいの収入状況は常時、こんな風にして把握しているのですが、確定申告のときに青色申告書としてひとまとめにすると、ささやかな商売ではありますが、それでも浮き沈みがあることが、一目でわかります。

オフィスそのままでも昨日、確定申告の届けを提出し、スッキリ。とはいえ、昨年は思った通り、「特異年」としか言いようがない状況。年間を通じた収入も減りましたが、毎年最大の繁忙期である3月・4月が、震災の影響で収入激減でした。ああ~、わかってはいたけれど、あらためて泣ける。

しかし、いや、待てよ。わかっていたはずなのに、旅行に出てしまったのは、どこの誰でしょうか。むむむ。あの数週間、遊ばないで働いていたら、こうはならなかった(かもしれない)。ああ~、自分が情けなくて、また泣ける。

いや、だがしかし!あれはしょうがなかった。犬が死んで、どこかに行かないと、心がどうしようもない状況だったのだ。よしよし。これでいいのだ。

な~んて、確定申告の時期には、昨年1年の出来事をあれやこれやと振り返ったりもするのです。

ま、それはそれとして、寄付金控除を受ける方へのご注意です。新たに認定NPO法人寄付金特別控除というのができて、認定NPO法人(プラン・ジャパンのような公益財団法人も)への寄付金について、従来の「所得から差し引かれる」控除か「税額」からの控除か、どちらかを選べるようになりました。よほど多額の寄付をしていない限り、税額から引かれる方がいいわけ。

寄付した方へは、各団体から通知が来ていると思いますが、その説明がわかりにくく、私も所得税の申告書に記入する段になって、ようやく気づいた次第です。記入方法を紹介しますね。

まずは、所得税の申告書。

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これは青色の用紙ですが、白色でも基本的には同じです。「所得から差し引かれる金額」の16欄が寄付金控除で、以前はここに記入していたはず。ここには記入しないで、計算を進めてください。

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右側の27欄に税額を記入したら、次の用紙で控除額を計算します。

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わけがわからんという感じですが、とにかく指示通りの数字を、記入した所得税の申告書から書き写すと、最後に控除額が計算できます。その数字を上の31~34という欄に記入。その額を税額から差し引いた数字が、39の差引所得税額になります。

では、皆さま、グワンバッテ、源泉徴収された税金の幾分かでも、取り戻しましょう。

Windows 7の便利な小技

メインに使ってきたノートブックパソコンが、まもなく満5歳を迎えようかという高齢になり、昨年4月に増設したメモリも、すでに不足気味。ようやく重い腰を上げ、新しいパソコンを買いました。

この不景気にねえ、と思ったりもしますが、不景気だからこそ仕事の効率化を図り、競争力アップだ!・・かな?それとも、キレイな動画が見たいのかな?へへへ。

ま、それはともかく、メーカーはヒューレットパッカードにしました。そもそも世界最大のパソコンメーカーだったコンパックをHPが吸収したので、性能などは定評があります。ただ、企業中心の営業展開で、個人ユーザーへの営業はかなり出遅れていた模様。そのため、個人向けパソコンのサポートが悪かったみたい。ところが、最近はCMにAKB48を起用したりして、個人ユーザーに力を入れてきた。それなら、サポートも充実させるのではないかと踏んで、決定したわけ。

デスクトップ型で、夏の暑さが気になるので、スリムではない、スタンダードな本体にしました。Pavilionシリーズのp7-1040jpというモデル。CPUは生意気にも、Intel Core i7という最速のにしました。ゲームをやらないから、そんなに速くなくてもいいんだけど、これから5年先に、どのような速度が必要になるかわからないからね。メモリも8GB積むことにしたけれど、これは本当に、いつか増設が必要になるかもしれない。

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やっぱり大きいね。でも、デスク周りにうまい具合にはまったので、満足。モニターが23インチあるので、こんなことができます。

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作業中のワード文書とインターネット辞書と参考資料のエクセル文書を一画面に開けます。肝心の(やっぱりこっちが肝心なんだ~と、ひとりツッコミ)動画は、と言うと・・


むふふふ。いいわあ~ん。

マシン自体も満足ですが、今回の買い物で拾いものだったのが、Windows 7です。立ち上がりやシャットダウンが速いし、システム内の検索もサクサク行くというのは知っていたのですが、仕事に便利な小技が、思いがけず良かった。

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付箋もタスクバーも以前からあった機能ですが、いまいち使いものにならん状態でした。それが改良され、これは使いものになる。

付箋はいくつも付けられ、サイズも変えられるし、色も付けられるので、これがあれば、いわゆるTODOリストは不要です。ずらして重ねておけば、邪魔にもなりません。仕事上のやり取りを、ここにメモしておくと便利。

タスクバーも便利になりました。例えば、よく使うプログラムはタスクバーにドラッグするだけで、タスクバーからクリック1つで実行できます。タスクバーにあるアイコンを右クリックすると、ジャンプリストという、最近使ったファイルのリストが表示されます。複数のファイルを同時に開いているときは、タスクバーに少しずつずらした状態で表示されるので、これもわかりやすいし、タスクバーに小さく表示した状態で終了することができて便利。

しかしまあ、あれですな。業務効率アップ!なんてハシャイでブログを書いてる間に、仕事やったらどうなんだ?っていうのは、まことに正論。

君子は危うきに近寄らないのだ

オフィスそのままの失敗談が多い今日この頃ですが、今回はちょっと、自慢しちゃうよ!

ちょうど1年前、イギリスの翻訳会社と喧嘩した話をしました。請求書に対して担当者から返事がないので、経理責任者に連絡を取ったら、「忙しくて担当者が別の仕事に駆り出されている」という返答。それで、ついカッとなって、「そんなのは言い訳で、支払いを遅らせたいんだろう。経営状態が悪いんじゃない?」と喧嘩をふっかけてしまったのだ。

結局は問題なく支払われたので、資金繰りがヤバいのかと勘ぐった私が悪かった、という結論に達しました。というわけで、解決はしたのですが、そもそも翻訳料が安かったし、なんとなくイヤ~な感じがぬぐえなかったので、その後、案件の引き合いがあっても、全部断っていたのであります。

そうしたら、数日前、喧嘩相手だった経理責任者から、おそらく仕事を受けたことのある翻訳者全員に送ったとおぼしき、こんなメールが。

I would like to apologise to you personally, if you have recently
been frustrated by lack of payment.

「最近、支払いが滞っていることでお怒りの方に陳謝いたします。」

ギョギョッ!

Sadly, on Friday, we parted company with our invoice clerk,
[個人名****].  We have appointed [別の個人名****] to take over
immediate responsibility for invoicing.  Please bear with us while we
catch up on all outstanding payments.

「残念ながら、金曜日に弊社の請求書事務担当者****を解雇いたしました。請求関係の業務は****が引き継ぎます。未払分の処理が完了するまで、どうかご辛抱のほどをよろしくお願いいたします。」

経営状態全体が不良なのか、人事がメチャクチャなのか・・。何があったのか、詳細は不明ですが(この経理責任者がイヤミな性格であることは確かよ)、ウサン臭さを感じた私の鼻は(珍しく)正しかったのだ。危うきに近寄らなかったことで、難を免れたぞ。

そもそも、1年前のことだって、担当者が別の業務をすることになったら、直ちに私にそれを伝えるのが筋ってもんじゃないですか。2ヵ月近くたって、こちらから聞いて、ようやく知らされたんだから。資金繰りが原因かどうかはわかりませんが、会社全体が混乱していることは確かだと思う。

ちなみに、上のメールの part company というのは、「袂を分かつ」、「関係性を終了させる」という意味ですが、要するに「クビ」。それをややオブラートに包んで言うときの決まり文句です。プロスポーツチームの監督をクビにするときなどに目にするかも。

ようやくスマートフォン

外出時にパソコンを持ち歩かなくても、新規案件の引き合いなどに応じられるということで、海外の翻訳仲間は、だいぶ前からスマートフォンを活用していました。

日本では、日本独特のおサイフケータイ機能がないということで、導入が進まなかったのですが、その機能もようやく加わり、オフィスそのままも、ついにスマホユーザーに!

いやー、すんごく便利ですよ。友人から「小さいパソコンに電話機能がついたようなもの」と聞いていたのですが、まさにそういう感じ。

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Gmail を使っているので、OS を Google 開発の Android にして、あとはおサイフケータイと、海外でそのまま使えるのがいいなあということで、INFOBAR という機種に決定。大きさは蛍光ペンと比べてください。思った通り、Google の検索や Gmail など、Google 系機能が使いやすくなっています。

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これはメールの作成画面。下にある文字表にタッチして、入力しますが、何文字か入れると候補が上に表示されます。

姉が数ヵ月前に iPhone を使い始めて、「小さすぎて、どうしても違うところに触ってしまうんだよおおおおお。爪楊枝を使わないと打てないいいいい」と、プリプリ怒っていたので、心配だったのですが、この機種の方が文字盤が大きいのか、それとも、私の方が姉よりも器用なのか(あああ~、お姉ちゃんがこれを読まないことを切に願うぞ)、別に問題なく入力できます。親指で、できちゃうよ。

打ち方にちょっとコツがあって、メールなど、文章入力をするときは、ピピピピッと、ものすごーく軽く(ほんとに触れるだけ)、速く、打つようにしないと、次の選択文字になってしまいます。項目を選択するときは、しっかり押して、色が変わったのを確認してから、指を離します。

マイクロソフト Office 文書もきれいに表示されます(左から順にワード、エクセル、パワーポイント)。ズームもできるし。これなら、メールに添付された文書を確認して、翻訳案件の引き合いにすぐに回答できる。

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もちろん写真(805万画素)や動画を撮影する機能もあるし、Bluetooth でパソコンやオーディオ機器と無線接続することもできます。

動画もきれいに見えるよ。前回のメスナーさんの動画を見るには、インターネットでその記事にアクセスして、スマホを横にすると、自動的に横長表示になって、見やすくなります。

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こんな風に、フリーの翻訳者にとっては便利なものなのですが、スマートフォン利用者のほぼ全員が口にするのが、バッテリー。とにかく、小さいパソコンのようなものなので、電気も食います。その辺は売る側も気にしていて、節電機能を使うよう、かなり強く推奨。

「とにかく省エネ」という、だれが考えたんだか、うまいネーミングの設定を選択すると、GPS など、常にオンにしておく必要がない機能はすべて「オフ」がデフォルト設定になります。

まだ外出中に写真撮影や動画録画を多用していないので、今のところはバッテリー切れで困ることはありません。でも、予備バッテリーを用意しておくのはいい考えかも。

毎月の通信料については、インターネットをほとんど利用しない人(スマホを買ってネットを使わない人はあまりいないと思うけれど・・)を除いては、パケット上限なしの契約にした方が安心です。

a friendly price

「フレンドリーな」つまり「好意的な」お値段ってわけですが、そう聞いたら、まず普通は、売る側から買う側への宣伝文句だと思うでしょ?「今月だけ、特別にフレンドリーなお値段で提供いたします!」なんてね。

それがそうじゃないのよ。という話を、ある翻訳者が紹介していました。

「ある翻訳会社から仕事の引き合いがあって、そこが特に強調するのが『フレンドリーな料金を提示してください』ということ。なんだ、これ!?フレンドリー?安くしろってことだろ。安い翻訳者は『友だち』ってことだろ。じゃー、高い翻訳者は何なんだ?あんたらの敵か?」

これは以前から、翻訳者の間で折に触れて話題になっていたことなのですが、翻訳者を徹底的に安く使おうとする翻訳会社は、「安い」とか「低料金」とかいう言い方を嫌うのね。それに対し、普段は高く設定しているけれど、ある仕事に限って安くしてほしいという、まっとうな翻訳会社は、きちんと「これこれこういう理由があるので、低い料金しか払えません」と言うんだけどね。

買い叩き翻訳会社の場合、どんな言い方をするかというと、多いのが「ベスト・プライス」。これ、バックパッカーの間ではおなじみのセリフです。「ベスト」って何が最高なのかと思うと、売る側がギリギリいくらまで下げるか、買う側がギリギリいくらまで出せるか、という値段のこと。

例えば、インド旅行をしていると、

What's your best price?

なんて聞かれるから、そうしたら、自分の頭の中にある数字を、例えば3などの適当な数字で割った値段を言う。そこから交渉が始まるのであります。つまり、売る側、買う側のどちらも、ベストと言いつつ、実はぜんぜんベストじゃないわけさ。たとえ値段が書いてあっても、それは往々にして「見せ値段」なので、「安くならない?」と聞いてみるのが定法です。ただ、高級店でこれをやると、店員さんに鼻でせせら笑われたりするけど。

でも、翻訳者の場合は、そこからの交渉がないみたいで、何十人もの翻訳者にメールを出して、翻訳者の履歴書の他の部分は全く読まず、料金がいちばん安い翻訳者を選ぶという仕組み。これだから、劣悪な翻訳が出回るのは無理もない状況です。この現状を改善するには、発注する皆さんに、安い翻訳会社を使わないようにお願いするしかないんですけど、昨今の経済状態ではねえ。フー。

あ、話が逸れてしまったので、元に戻すと、私は Gmail に CHEAP!!/BAD!! というラベルを作り、料金が安い、詐欺っぽい、態度が悪い、などの引き合いメールには、そのラベルを付けてアーカイブに入れ、次回からはメールを読まずにそのままゴミ箱行きにしています。その手のメールでは、こんな風に best price を使う。

Emailfrommary110814

(CHEAP!!BAD!!のラベルの色はウン○色にしたんだよ!)

英語ネイティブではない人が書いているので、全く冠詞が使われていない変な文章ですが、ま、とにかく、best price を持ち出す会社は安いに決まっているので、返事は出さず、このラベルを付けてアーカイブへ。

それにしても、friendly price ってのは、初めて聞きました。なんの因果で、あんたに「フレンドリー」にしなきゃならないんだ?いつからあんたは私の友だちになったんだ?って、言いたくなるよね。

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