さあ、ここはどこ?

ムフフフ。

Uxmal160404

(クリックで拡大)

さあっ!ここはどこ?

メキシコ、ユカタン半島のどこかです。オフィスそのままは今、ユカタン半島にいるのであった。久しぶりの旅行です。まだまだ始まったばかりなので、旅行記開始は先のことになりますが、今回も長くお付き合いいただくことになりそうですよ。よろしくね。

ちなみに、今回は「スペイン語習得」という真面目な目的も兼ねており、毎日、必死でスペイン語を、ぐにゃりぐにゃりではありますが、操っております。と、「ただの旅行ではないんだかんね。遊びではないんだかんね」と、苦しい主張をするそのままであった。

ま、本当のところは、皆さまお察しのように、傷心旅行です。まだ折に触れて涙ぐんだりしているのでね。

帰国しました

今回は目的はキューバだったのだけれど、直行便がなく、成田ーメキシコシティ往復の航空券を取ったので、ついでにユカタン半島に寄って、マヤ遺跡を見てきました。それで、いつもよりもやや長めの旅行になった上、太陽がギンギラで、その下を毎日グワンバッテ歩き続けましたが、特に体調を崩すこともなく、無事に帰国できてホッとしているところ。

大都市メキシコシティにも寄って観光した結果、都市とユカタン半島の差、さらにキューバとの差も体験できて、面白い旅行になりました。

キューバは一部指定業界で個人事業を認めた結果、観光業界を始め、ガンガン金を稼ぐ人たちが現れ、すでに経済格差が明らかになっています。

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これはハバナの中心。コロニアル建築の建物を大修復してホテルとして利用。左下の赤い2階建バスは1日10 CUC(これ、二重通貨制度を採用しているキューバの通貨の1つです。これについてはそのうち説明します)で、何回でも乗り降りできて、観光に便利。

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ちょっと横の道に入ると、こういう状態。これはある地方都市ですが、首都ハバナでも、観光客がごった返す目抜き通りをたった1本それただけで、外壁がはがれ落ち、窓枠がひん曲がった2階から洗濯物がひるがえるという状態です。

これからどうなって行くのか、興味が尽きないところで、キューバ国民の間でも、考え方はいろいろみたい。「変わり方が遅い!」とイライラする人もいれば、格差に憤る人もいるし、観光業界で素早く稼ぎ、お金を持って海外に移住する計画の人がいるかと思えば、米国による経済封鎖が解かれることに、「革命の正しさが証明されたんだよ。正義は我らにある!」とキッパリ言い切る人もいる。

歴史的建築物は美しいし、鳥もいろいろ見たし、海もきれいだったけれど、結論として、いちばん面白かったのは人間。つたないスペイン語で、なんとかコミュニケーションがとれて、嬉しくてしかたありません。

では、これから長々とご報告いたしますので、おつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

1. 緑陰のメキシコシティ

さて、旅行記を開始する運びとなりましたが、今回はそもそもの目的がキューバであり、実際、キューバがこのうえなく面白かったので、どうもメキシコ部分は気持ちが乗りません。

と、ブツブツ言いながら、旅行中にとったメモを読んだら、けっこう面白かったんですよ。メキシコも。キューバの印象が強すぎて、記憶から飛んでしまったんですな。というわけで、まずメキシコシティからレッツラゴッ!

3月30日(水)
成田でチェックインの列に並んでいる間、前にいたメキシコ人カップルとスペイン語で話をして、つたないスペイン語が通じることがわかり、ホッと一安心。間違いだらけのスペイン語なのだけれど、その若いカップルが終始真面目な顔で相手をしてくれて、うれしかった。

町なかで無料WIFIを利用したかったので、「スタバ、ある?」と聞いたら、ううう~と、深いため息のような、唸り声のような声を上げ、「いたるところに!残念ながら!」だそうです。グローバル大企業が一人勝ちの世界にウンザリしているそうで。こういう若者が増えていますね。

飛行機で隣になった青年が南アジア系の顔立ちで、英語もスペイン語もできないのに、客室乗務員とも私とも、身振り手振りと英語の単語だけで、とりあえず必要最低限のコミュニケーションが取れるのです。ひょっとしたら、と思っていたんですよ。そうしたら・・・

機内食のパンを私が残しているのを見て、手振りで「食べないの?」と。食べないと首を振ったら、さっと手が伸び、パンを取ってムシャムシャ食べちゃった。いよいよ、(あ、これは見慣れた行動だぞ。やっぱり?)と。次は、自分が食べないデザートや野菜を、無言でどんどん私の食器の上に乗せる!

もう半ば笑いつつ、「インド?」とたずねたら、破顔一笑。「そうだよ!」

インド北部の都市アムリトサルの人でした。インドからメキシコに行く途上、成田で乗り換えだったようで、英語ができる仲間と離れた席になってしまい、「困ったよ~」みたいでしたが、何も問題なく、無事にメキシコシティに到着。

空港でタクシー券を買い、タクシーの運転手に「このアドレスで、ほら、ここ、ここ」とスマホにダウンロードした地図を見せたら、運転手のおじさんも自分のスマホでナビして、スマホが「次の角を右へ」なんて指示してくれるわけ。便利ね。

「メキシコ、初めて?」とか、ありがちな会話を交わした後で、「あなたは外国旅行するの?」と質問したら、「すごーく前にね。まだソ連だったロシアに行った」!ひえー。

モスクワオリンピックを見に行ったんだって。その後、ドイツとポーランドにも行ったというから、ひょっとして労働組合の国際組織かなにかで親睦を兼ねた旅行だったかも?

メキシコシティに関して1980年代頃の「大気汚染に苦しむ発展途上の都会」(空気があまりに悪いので、チャプルテペック公園で小鳥が木から落ちるとかいう噂があった)というイメージを持っていましたが、全く違いました。失礼いたしました。(↓クリックで拡大)

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大通りはどこもこのように並木が続き、ちょうど薄紫色のジャカランダが満開。きれいよ~。

空気もきれいで、これは長年の対策が奏功したもの。首都圏に乗り入れる車の台数を制限したり、バス専用レーンを作ったり、行政は相当努力したようです。こんな取り組みも。

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乗り降り自由な自転車、エコビシ(ビシは自転車という意味)。登録して1年有効カード(3000円ぐらい?)を買うと、市内各所に設置された自転車置き場(444カ所)のどこかから乗り、どこかの置き場に戻せばいいので、なかなか便利です。数キロなら自転車で十分なことも多いでしょ?2010年の導入以来、利用者が増え、現時点で登録者は10万人近くいるようです。実際、背広姿やハイヒールの勤め人もキコキコ自転車こいでいました。

ここでオフィスそのままからメキシコシティ当局に提案です。メキシコシティでもお腹の出た中年男女が目につきました。エコビシのコマーシャルに「自転車でメタボ撃退!」を加えてはどうでしょうか。

ネットで見つけた、アートっぽい人が経営しているらしき宿「Dos Fridas Y Diego」(2人のフリーダとディエゴ)に予約を入れていました。

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私の部屋。

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廊下。

ここの宿は特にアートっぽいのですが、そもそもメキシコ全体として、趣味の悪いインテリアというのが少ないのです。伝統的な色合せというのがすでにあるわけで、あえてそこからそれて自分の悪趣味を押し通す人でなければ、趣味のいいインテリアにできてしまうのね。

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部屋の窓から見た前の通り。早朝から車が通るので、起床時間の遅い人には向かない宿ですね。バスルームは隣の部屋と2室で共用。コーヒー、タマーレ(トウモロコシ粉で生地を作り、トウモロコシの皮で包んで蒸したチマキみたいなもの)、卵料理の朝食付きで1泊3500円ぐらい。

2. 時差ボケでグルグル

珍しくお昼ごろに到着する便で、まだ午後は全部残っているという塩梅だったので、宿に落ち着いてから、チャプルテペック公園内にある国立人類学博物館を見学することに。

メキシコシティは2250メートルという山頂なみの標高に位置し、熱帯にありながら一年中気温は20度前後ぐらいだそうです。

この日も、汗をかくような気温ではないのに、頭上には太陽がギラギラと光り、いかにもの天気でした。そんな中、ATMでお金を下ろしたり、公園までの道をたずねながら行ったりしているうちに、ちょっとフラフラしてきて、ああ~、時差ボケかあ。標高が高くて酸素薄いしなあ。

なんとか博物館に到着したのですが、入り口の前で一目建物を見ただけで、これは旅行のついでに立ち寄って済む場所ではないとわかりました。(写真はクリックで拡大)

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敷地内の「噴水」というか人工滝というか。この水しぶきで、すでに圧倒されてしまったのだ。

入館すると、そこは薄暗がりの中に異型の人々が次から次へと現れるマヤの世界。頭がグルグルし始め・・・・

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こんなのや・・・

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こんなのが・・・

1つの展示室から次の展示室へとたどるうちに、やがて展示物が大きくなったり小さくなったりし始めた。こちらにグワ~ングワ~ンと迫ってきたり、シュパーっと遠ざかったり。おおおおおお~!

どこをどうさまよったのか、ある展示室からようやく中庭に出て、大きな石のベンチに横になって目をつぶり、はああああ、良かった。倒れずに済みました。

少しウトウトして、目を覚まし、横を見たら、隣のベンチで完全に眠り込んでいる男女がいて、ベンチをこんなに大きく作ったのは、これが目的だったの?と思ってしまった。

まあ、こんなわけで、半分も見学できなかったような気がします。規模も展示品の質も、私の理解の水準をはるかに超えていたのであった。とにかくもう、迫力がありすぎ。

博物館を出てからチャプルテペック公園をぶらぶら散歩して、定番(と言われている)のリスと出会い、

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宿まで1キロ以上あるから、地下鉄に乗ろうかとも考えましたが、階段の上り降りがあるだろうし、どうやら倒れることはなさそうなので、また歩いて戻ることにしました。途中、道路の向かい側に、こんな楽しいストリートアートが。

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メキシコシティのストリートアートは有名みたい。

この晩は、まだ時差ボケから解放されず、2時間おきぐらいに目が覚めて、翌朝は調子が今ひとつ。どうなりますことやら。

3. ダブルで敗北

3月31日(木)
寝不足なのか寝すぎなのか(就寝から起床までの時間を合計すれば9時間なんだけど・・・)、どちらとも言えない状態で起床。中庭でコーヒーとタマーレス(tamalという名詞の複数形)の朝食を取ったら、頭がスッキリしたかな。

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タマーレスって、こんなもの。表面がツルッとしてモチモチの食感が、ちまきに似ています。この宿では、トウモロコシ生地を蒸しただけのシンプルなものでしたが、挽肉などの具を入れたり、バナナの葉で包んだり、いろいろな作り方があります。

私はおやつに食べるような、何も具が入っていない甘いのが好き。

メキシコシティは世界の大都市の中でも特に見応えのある博物館・美術館が多いところです。しかも、単に多いだけでなく、ディエゴ・リベラの壁画など、ここに足を運ばないと目にできない作品があるので、美術に関心のある方には旅行先として強くお勧めしたい都市です。

そのままは美術に詳しくないし、たくさん見ても、もやもやした記憶の霧の中に埋没するのが関の山。これは過去の経験から身にしみて確信している事実です。なので、お目当てを3箇所に絞りました。

1.アステカ時代の遺跡テンプロ・マジョール(Templo Mayor。大神殿という意味)とその付属博物館

2.リベラの壁画があるパラシオ・ナシオナール(Palacio Nacional。palacio を宮殿という意味だと勘違いして、国立宮殿などとよく誤訳されますが、ここでは公共建造物という意味。大統領官邸と財務省も入っている建物です)

3.フリーダ・カーロ美術館(彼女の家が美術館として一般公開されている)

たった3箇所なのに、なんとしたことか!2と3は、お昼頃に行ったら、もう数百人が行列を作っているのであった。行列が何度も折り返して、文字通り十重二十重とはこのことか。

Semana Santa(聖週間)のお休みが今年は20日から28日だから、わざわざその時期をはずして旅行したはずだったのですが、後で調べたら、メキシコ各地で少しその時期に違いがあるようでした。この週末まで休みになる地方の人たちが首都に遊びに来ていたものと思われます。

2も3も、一度に入場できる人数を制限しているとのことなので、あっさり諦め、帰国前にメキシコシティに寄ったときに見学することに予定変更。それにしても、ダブルで敗北というのはねえ。

さて、テンプロ・マジョール。

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14世紀アステカ時代の首都テノチティトランの遺跡で、観光客が集中する旧市街広場ソカロとほとんど直結したような場所にあります。その時代の建物はピラミッドをはじめ、ことごとくスペイン人征服者により破壊され、その上に新たに町と建物が建設されました。

その後は忘却の彼方へ・・ですが、ようやく1978年に発掘が始まり、一部は一般公開されています。昨年も大規模な地下トンネルが発見されてニュースになったばかりで、全容が明らかになるのは、まだまだ先になる模様。

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重要な発掘物は付属博物館に収蔵されています。

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フクロウ?

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メキシコシティの遺跡といえばテオティワカンが有名で、バスなら1時間ぐらいで行けそうだったのですが、今回はこれからユカタン半島で何箇所か遺跡を見るし、都会からすぐに行けることがアダになり、観光客の数がものすごいらしいので、やめました。

遺跡も美術品と同じで、専門家でない限り、いくつか見ると、結局は記憶に残らないものです。旅行で思い出に残るのは、特に関心があり、知識が豊富なもの(私の場合は動物や自然)、そして、なんと言っても、人です。その土地の人との出会い。目撃した場面。語り合ったこと。これは一生、忘れない。

4. ディエゴ・リベラ壁画館

ダブルで敗北した後、数時間無駄に動き回ったという事実に大いに打ちひしがれたのでありますが、ただ打ちひしがれているわけにもゆきません。入れなかった2カ所を旅行の最後にまわしたので、最後に行こうと予定していたところに行くことにしました。メキシコシティは地下鉄網が発達しているので、こういうときは便利です。長く滞在するならプリペイドカードを買ってもいいのだけれど、今回はほんの数回しか利用しないので、窓口で切符を買いました。

このとき、自分で自分を笑ってしまうようなことがあったんですよ(私の場合、べつに珍しくないけど)。普段、モバイルスイカを使っているから、そもそも切符を買うという行為に慣れていないでしょ。しかも、どこそこまでいくら、という考え方しかない。で、窓口で・・・

"Un billete a Hidalgo, por favor."(Hidalgoまでの切符をお願いします)と言ったら、係の人がちょっと首を傾げて、

"¿Uno?"(1枚?)と。

はあ・・とうなずいたら、切符とお釣りをくれました。なんだか変な感じだったんだけど、よくわからない。別の駅の窓口でも同じようなやり取りがあり、しかも、今度は前のときの倍ぐらいの距離があるのに、料金は同じ5ペソ(30円ぐらい)。

さすがにこれは変だぞと思い、すぐにホームに行かないで、他の人たちが窓口で切符を買う様子を観察してみたら、わかりました。どこまで行っても、1回の乗車は5ペソなのだ。そこで、皆さん、窓口で2枚とか6枚とか、その日に使う分を一括して買っているのでした。

ようやく理解したので、次からは私も何枚かまとめて買うようにしました。それにしてもメチャクチャ安いね。メキシコはそれほど物価が安くないから(ランチが400円ぐらい)、地下鉄料金はほかの物価と比べてすんごく安い。

さて、地下鉄で次に行ったのが、ディエゴ・リベラ壁画館(Museo Mural Diego Rivera)。

小さい美術館で、美術に詳しくない私でさえどこかで見たことがある有名な壁画、「アラメダ公園の日曜の午後の夢」が展示されています。

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幅15メートルという大きなものだから、その場に行かないと面白さが伝わらないのじゃないかなあ。

メキシコの歴史上の人物に加え、ディエゴご自身とフリーダも登場しています。「これはだれ?」という説明の図が用意されているので、その図の番号と照らし合わせて、「へえ~」なんて言ってみたりするのが面白い。1人1人の前に行って、しげしげと眺めるのも実に面白い。ちょっと対話するような気分になる。

次は、ここから歩いて数分の革命記念塔へ。エレベーターで展望台のてっぺんまで上がってみたのですが、そこからの眺めはあんまり・・。遠くまで眺めることはできるのですが、その眺望自体があまり美しくないもんで。残念。エレベーター料金50ペソ(300円)は高すぎ。

一方、記念塔の前の広場に置かれている Jorge Jiménez Deredia という彫刻家の作品はなかなか良い。これはタダだし。

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この人の作品はメキシコシティの随所に展示されていて、街の喧騒に疲れたときに見かけると、ホッとします。

大通りの交通量は多いし、大都会にありがちなことで、道行く人はだれも忙しそうですが、公園が多く、歴史的な記念碑や彫刻が飾られていて、メキシコシティは道歩きが楽しい町です。

Street160529

5. ユカタン半島へ

いやー、ご無沙汰いたしました。預かり犬や中国語や、も~大変な状態で、旅行したのは去年だったかと錯覚するほどだったのだ。気を取り直して。メキシコシティからユカタン半島へ移動します。

4月1日(金)

4:30起床!5:00出発!前日に宿の人に頼んでタクシーを予約してありました。だいたいどこでもそうなのですが、空港から町へのタクシーというのは高い(ここでは224ペソだった)。逆方向はだいぶ安くなり、170ペソでした。

今日は首都から一気に大田舎(失礼!)のユカタン半島に飛びます。メキシコでダントツに評判が良いインタージェットという低料金航空会社を利用してみました。徹底した効率化を図った結果、空港内の端末で自分でチェックインして、荷物のタグもプリントして自分で荷物に貼り付け、ベルトコンベアに乗せます。重量超過の荷物はどうするのか確認しなかったけれど、たぶんどこか途中で重量を測定して、オーバーした分は到着した空港で請求されるのでしょうね。

1時間余りでユカタン半島キンターナ・ロー州の州都チェトゥマルに到着。タクシーでバスターミナルへ。(空港のカウンターで申し込む固定料金のタクシーなのに、メチャクチャ高かった。10分ぐらいなのに200ペソ。

Busterminal160622

バスターミナルは広くてきれい。ADOという長距離バス会社の発着所ですが、ほかのバス会社も利用しています。

向かおうとする遺跡に近い停留所がインターネットの予約サイトで見つからなかったので、窓口でその付近の村 Conhuas の名前を言って、調べてもらいました。急行バスが止まらない小さい村で、路線バスの停留所しかないのだそうです。急行以外の路線バスの予約はネットのサイトではできないのだ。(129ペソ=780円)

2時間待って、ようやくバスが来たら、路線バスといってもエアコンつきの立派な長距離バスでした。3時ぐらいに村の停留所に着いて、ここから自然保護区内のキャンプ場まで10キロ弱ある。停留所の手前の保護区入口で降ろしてもらえば3キロも短縮できたんだけど。後悔先に立たず。さあ、これからどうするか。

計画を立てたときは歩こうと思っていたんですよ。起伏はあまりないし、雑木林の中の山道を歩くだけだから・・って、保護区に入ってからのことしか考えてないじゃないか!でも、現状はどうかといえば、保護区入口まで自動車道路を歩くわけさ。ギンラギンラ照り付ける太陽の下、気温は35℃を超えたかも・・その中、アスファルトを3キロ歩くと考えたら・・・メゲました。

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道路わきの青いレストランで、店のおっさんに「タクシー見つかる?」と尋ねたら、スマホで探してくれたんだけど、近くにいない。「まあまあ待つべし」と言われて、どれぐらい待つのかなあと不安になりつつ、中途半端な時刻だけど、食事をすることにして・・・

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旨かったよ!薄い骨付き豚肉、豆、アボカド、トマト。これに飲み物で100ペソ(600円)。

そこへ大きなバイクでツーリングのご夫婦がやって来ました。30代半ば?奥さまはナントナント、妊娠中!お腹がポッコリ。妊娠初期じゃないからバイクの後部座席に乗るぐらいなら大丈夫なのかな?私がビックリ仰天顔で見つめていたら、私を見たご夫婦の方もビックリ顔で、「えええ?日本人?一人でここまで来たの?」

私とおしゃべりを始めたご夫婦を見て、店の奥さんが、あっ!と何かを思いついた様子で、私に「あなた、バイクの後ろに乗るのは大丈夫?」「ダイジョブよ。バイクあるの?」ちょっと待っててね、という奥さん。

5分ぐらいして奥さんから声がかかり、その指さす道路の方を見ると、1台のバイクがこちらに向かっている。ここの息子が帰宅したのであった。20歳ぐらいの息子との間で80ペソでどう?と料金が決まり、彼が私のバックパックを抱えて出発。

さすがバイクは速い。道路から保護区入口へ。そこから山道になり、キャンプ場へ。歩きだったら2時間半ぐらいかかる道のりが30分弱。

前もって連絡を入れてあったので、どうやらここの息子らしい中年男性が待っていてくれました。客は私一人みたい。

Tent160622

これが私のテント。テントが10張りぐらい点在しているので、間違えないように名前がついています。Avispa って、ひょっとして福岡市民ならわかるかも?スペイン語でスズメバチです。福岡のサッカーチームの名前がアビスパだよね。

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男性は住まいが別にあるらしく、車で去ってしまいました。残されたのは私だけ。寂しいよ~と思ったら、こんな子がいました。良かった。手を差し出したら、うふ~ん、なんて。いい子、いい子。





6. ジャングルの夜は大騒ぎ

暗くなる前にキャンプ場の外にある見晴らし台から見物したら、見渡す限りの森林なのであった。当たり前か。

トイレに行き(浄化槽の仕組みと環境保護を説明するポスターが貼ってある)、水シャワーを浴びると、みるみるうちにあたりは暗くなり、電気がないところなので、本当に真っ暗。まだ9時だけど、明日は7時に遺跡までのタクシーを頼んであるから、6時前に起きなきゃだし、さあさあ、さっさと寝てしまおう。

ちょっと心もとないが、いちおう番犬らしきものもいて、何かあったら少なくとも吠えるぐらいのことはしてくれるでしょう。と自分に言い聞かせたけれど、ユカタン半島のジャングルの中なのよ。ジャガーだって、いるのよ(普段人がいるところへ姿を現すことは、まずないけど・・)。でも、テントなんて、早い話が薄い布だし。うう~。

と不安になりつつも、いつしか眠りに入った・・・・・ところへ、ホッホッホッ!ウオウオウオー!という雄たけび!

ハッとして目が覚めましたが、すぐに正体は見当がついた。ホエザル。はるか昔にコスタリカで声を聞いたことがあり、中南米のジャングルでこんな大声を出すのはホエザルしかいないし。


これはYouTubeで見つけたコスタリカのホエザルの映像です。こんな声。

群れが移動中なのかなあ。でも、もう真っ暗だから、変だよねえ。

吠える声は全く遠ざかる様子がない。それどころか、枝をゆさゆさ揺らす音もしてきて、テントのそばの木の上に群れが居座ってしまったみたい。

ヘッドランプをつけて外に出てみた。少し雲が出ていて、満天の星とはいきませんが、周辺数十キロは電気がないので、星がくっきり。雲間に隠れていた月が顔を出すたびに、あたりがパアッと明るくなる。高木の樹間に目をこらすと、サルたちの黒々としたシルエットだけ、確認できました。

不思議なもので、黒いかたまりでしかないのに、相手の姿が見えただけで安心できるんだよなあ。大きな1頭が枝をゆさゆさ揺らしていますが、群れ全体としてはそれほど動揺していない様子だし。

まだ騒いでいたけれど、とりあえずテントに戻り、ウトウトしながら、うむむむむ~。早く寝床を作って、さっさと寝てほしい。

ところが、こちらの願いも虚しく、吠える声はどんどん大きくなり、金切り声のようになってゆくのだ。いや、この声は普通じゃないぞ。と思ったら、今度は少し遠くから、別の群れらしきホエザルの声が聞こえてきた。

おいおい、冗談じゃないよ!

両方の群れの金切り声がギャーギャーギャー!ワオワオワオ~!キイー!フガフガフガ(鼻音?)。ひたすらエスカレートするばかり。枝を揺らす音も大きくなるし。

た、頼むよ。こんな夜中に戦争はやめてくれ~!!!

もー、ほんと。祈ったね。こちらはひたすらテントの中で身を縮めるのみなのであった。でも、別の群れが近づく気配がないまま、やがて声が遠ざかってゆき、こちらの群れの騒ぎも沈静化。あー、良かった。

ホエザルの大騒ぎも収まり、夜中に一度、トイレのために出たら、管理棟らしき小屋にランプの光が見えたので、泊まりの係員かだれかが来たようです。ホッ。

夜が明けて、顔を洗いに出たところで、60代ぐらいの小太りの女性とバッタリ。昨夜泊まったのは、ここの経営者のご夫婦だったのだ。

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昨日いた男性はやはり息子さんで、こちらがお父さん。犬がもう1頭登場。こちらも、いい子。

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かまどでコーヒーと朝食を作ってくれました。

おはよう。よく眠れた?いやー、それがね。夜に大騒ぎで、とご報告。

お父さんの説明によると、この周辺は木の実が豊富で、ホエザルにとっては絶好の生息環境なのだそうです。以前からここを縄張りにしているホエザルの家族がいるのですが、数カ月前に別の群れが現れて、ここを奪おうとしているのだそうで。まだ実質的な衝突は起きていないが、緊張関係が続いているとのこと。

7. カラクムル遺跡

4月2日(土)

かまどの炭火で沸かしたお湯でコーヒーをいれてくれて、自然保護区の説明を始めるご夫婦に、「もう7時になるからタクシーが」と言って腕時計を見せると、お父さんがスマホを差し出す。あれ?まだ6時・・???

このあたりはメキシコシティと1時間の時差があるんだって!知らなかった。確かにメキシコは広い国なので、時間帯がいくつかあっても不思議はないね。「お客さんには必ず時差のことを伝えるように息子に言ってあるのに」と、口をへの字にするお父さん。

この一件が象徴していることですが、昨日の息子は単にテントとトイレの使い方を教えて料金(290ペソ:1700円)を徴収するだけで、単なる使い走りの使用人のような態度。カラクムルの自然と遺跡を守りたいというご両親の切なる思いは、息子には通じていないと見た。

さて、タクシー(往復800ペソ:遺跡見学中は待っていてくれます)が来て、遺跡まではここからさらに63キロあるのです。これほどの規模で世界遺産にも登録されたのに、来訪者が少ないというのは、このアクセスの悪さが原因なのだろうな。ツアーなら自前の車があるから、もっと簡単に来られますが、時間がかかるのは同じ。

遺跡に到着・・・と言っても、入り口近くに遺跡の中で公開中の部分の地図があるのだけれど、この部分のみが開けているのでして、周囲は完全に森です。

遺跡の説明はこちらでどうぞ。Wikiの解説にあるように、なにしろ総面積30平方キロの大都市で、古代マヤ文明ということで1500年もの時が経過し、発掘はまだあまり進んでいないとか。すでに発掘・修復が終わり、公開されているのはごく一部ですが、それでもざっと見るだけで半日かかりますね。

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この内部には道が敷設されているので迷いませんが、変な冒険心を起こして道からそれてはダメですよ。もう、ホントに、密林ですから。

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かつての目抜き通り?両側に建物が並んでいたはず。

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建物に続く階段。各建造物のそばには石碑がたっています。

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メキシコの遺跡で観光客が多いところは建造物に上れないのですが、ここは訪れる人が少なくて許可されているので、そうと聞けば、やっぱり上ってみないと!

Ruins1609201

というわけで、ここ。石段の一段ずつが高い部分があるので、ちょっと体力が必要です。でも、頂上まで登りきれば・・

密林を一望!気持ちいい~!風の音がすごい。

ご覧の通り、まるっきりのジャングルです。でも、1500年前はどうだったんだろう。周囲の半径数キロが市街地で、商店や住まいが並び、その外側が農地だったのかな?この最上階から為政者は下々の民衆を見下ろし、「民のかまどは にぎはひにけり」なんてご満悦だったのかな?

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この建物などは、もう上まで大木に取り囲まれていますけどね。自然の力はすごいね。

 

8. カンペチェへ

あっ、そうそう。忘れていた。ユカタン半島でのルートはこんな感じです。メキシコシティから右下の Chetumal まで飛んだ後、バスで西(左)へ進み、今いるのはCalakmul。これから北上して海辺の街、Campeche(カンペチェ)へ向かいます。

Yucatanmap161027_3

さて、帰りは同じタクシーで幹線道路まで。運転手さんによれば、3時と5時にカンペチェまでの長距離バスが来るとのこと。もう2時で、腹減ったー。昨日の食堂の向かいの店を試してみることに。

そこで会ったのが、米国人の30代男女カップル。自転車でツーリング中。1日100キロぐらい走行するんだって!

ウィスコンシン州とオレゴン州という長距離恋愛。その理由というのは、彼女の方が一生の決断!という意気込みで、医師の道を選んだからなのです。6月から医科大学で学ぶということで、引っ越したんだね。

「もう歳だから、不安でたまらないんだけど・・」という彼女に、「なに言ってんの!30代なんて、まだ人生半ばにも達してない!やりたいことがあったら、やらなきゃ。私なんか60だけど、まだこうやって、フラフラ一人でバックパッカーやってんだから。行きたいところがまだいっぱいあるんだよ!」と、大演説してしまいました。

思い返すと、ガラにもなく説教して、ああ~恥ずかしい。赤面。でも、旅行に出ると、必ず一度はこういう若者と出会うなあ。そして、ああ、必ず、恥ずかしながら、同じことを叫んでしまうのであった。その後は必ず、「ガラにもなく・・」と反省。

食事を終えて、じゃあねえーと出発した2人。

Bikes161027

自転車のツーリングって、こういう風な装備なのね。へえーなんて思いつつ、手を振っていたら、あれ?私が向かう方向のバスが来ている!え?まだ時間じゃないのに。

ん???と首をかしげつつ(ここで、ある事実に気づかなければいけなかったのだわ。残念な人であるそのままは、全く気づかず)、とにかく、3時のバスは逃してしまったらしく、この後、さらに2時間待って、5時のバスに乗車。

途中で乗り込んできた女の子の売り子さんから夕食代わりにタマーレスを買う。3本10ペソ。甘くてうまーい。やっぱり、こういう安っぽい味のタマーレスが好き。

10時過ぎにカンペチェ着。土曜日だったせいか、バス発着所の周辺は、まだまだ人が大勢いたので、例の電子書籍リーダーKOBOに入れてあった地図を見せて、町の中心までの行き方をご教授願いました。

暗くてよくわからなかったのですが、町の中心に世界遺産にも登録された古都を遺しているので、ある境界を越えたら、周辺の普通のメキシコの町から、急に石畳のオシャレっぽい町並みになり、ビックリ。

お目当ての宿は1軒目はいっぱい。2軒目の少し高めのホテルで部屋がとれました。シャワー浴びたり、軽くご飯食べたりしているうちに、もう真夜中を回ったはず。それなのに、ホテルの中庭は、まだまだ帰らんぞー!まだまだ呑むぞー!という人たちで、ざわめいているのであった。

さて、翌朝。外に出ると・・・

Campeche161027

ありゃまっ!こんな・・・ヘンゼルとグレーテル?お菓子の家?みたいな町だったのだ。

«9. 日曜日のカンペチェ

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