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第3回:地下鉄から夜行列車へ

いちおう地下鉄の車内をご紹介すると、

Delhimetro1_1

こんな感じで、つり革が通路の中央にぶら下がっていることを除けば、日本の地下鉄と変わりません(いや、あくまでも素人目には、ですよ)。これはイ ンドの鉄道ファンから拝借した写真(*脚注)で、私が乗ったときは帰宅途中の通勤客で、もっと混み合っていましたが、車内がシミひとつないピッカピカとい う点はこのまんま。乗客は皆おとなしく、お行儀が良い。大声で話す人もいないし、われ先にと押し合いへし合いドアに殺到する光景もなし。ツバ吐く人なん か、もちろんいないぞ!エアコンでヒンヤリしているだけでなく、人間までなんとなくヒンヤリ。さすがのインド人も、光り輝く車両、自動開閉するドア、抑揚 のない無機的な声のアナウンス、正確な運行という、「先進国のスタンダード」のご威光に気圧されたのか。それとも単に、乗っているのが「疲れ切って口を開 く気にもならない都市生活者たち」だからなのか。

一歩外に出ると、またまた汗と唾と体臭の旧デリー世界。なんだか映画館から外に出たような感じ。そうかあ。地下鉄って、エアコンの効いた映画館のよ うな別世界なのかもしれない。現時点ではね。何年かするうちに、そちらの方が現実になり、現在の旧デリーは「懐かしい」別世界になるのでしょうか。現に、 私にとっては旧デリーが懐旧的雰囲気の町で、「なんだかホッと」してしまっているんだもんね。

駅横の食堂でお茶して(お茶というのは嘘かも。Aloo ParathaAlooparatha
という、パンケーキにジャガイモを挟んだようなもので、しっかり食事してしまった。Rs45)、ついでにトイレを借り、手荷物預かり所でバックパックを受 け取る。プラットフォームへ行くと、まだ1時間以上前なのに、もうKalka行き夜行列車(事前にインターネットで予約・購入[Rs632]して、Eチ ケットを発行してもらった。インド鉄道の予約方法についてはこちらをご覧ください)の準備が整った様子。誰もいないガランとした車内で寝台(berthと言います)を確認し、よじ登り(上段を取ったので)、洗面用具を出したりして、さっさと寝る準備。

お金の計算したりしているうちに、ポツリポツリと周囲の寝台が埋まり始め、車内販売のあんちゃんたちがホカ弁(けっこう本格的なカレーセットもあ る)やお茶の注文取りに回ったり、シーツと毛布と枕が配られたり、忙しくなってきました。そこへ、英語で自分の寝台の位置をたずねる男性の声が聞こえ、声 の後にご本人が登場。

身長190センチくらいで、それに劣らず横も大きなボヨヨ~ンとした白人青年。私の寝台から通路をはさんだ斜め下の寝台だったようで、これまた巨大 なバックパックを置くと、車内販売員がすかさずメニューを持って注文取り。ボヨヨン君は彼をインド鉄道の従業員だと勘違いしたようで、「もうインターネッ トで電車賃は払ったよ」なんて言っている。販売員の方は「違う、違う」ぐらいしか英語ができない。で、私が「その人は鉄道の職員ではなく、弁当屋の従業員 で、注文を取りに来ただけ。食事や飲み物は電車賃とは別に払うんだよ」と説明。そんなきっかけで、ちょっと四方山話に。

日本に行きたいと言うので理由を聞いたら、昨年1年間、中国四川省の高校で英語教師をしたのだそうです。政治学習の時間に生徒たちがコブシを振り上 げて日本政府を糾弾するのを見て、中日の過去のいきさつを全然知らなかったので、興味を持ったとのこと。日本政府のことは非難しても、日本製品や日本文化 (今どき日本文化と言えば、ほぼオタク文化を指すと言っても過言ではない)について生徒に聞くと、「好き!」という答えが返ってくる。「へえ~」だったん だそうで。

日本でも最近はナショナリストが幅をきかせていて、どこぞの知事(国際的にはultra-nationalistとして有名な方です)の口からは下 品な言葉が聞かれたりするけれど、あいかわらず経営者の皆さんたちは中国の英雄や故事が好きだし、電車の中では中国語のテキストを広げている人が増えたも んなあ。私自身、仕事ではなく、個人的に中国人の知り合いができたのは、ここ数年のこと。接触が増せば増すほど、また摩擦も増えるのかもしれないけどね。

そんなことを話しているうちに、周囲の寝台が埋まってきました。そして、例によってアナウンスなんてものはないので、あれっ、と思ったら、列車が動 き始めていた。ゆっくりゆっくり動き始めるから、インドの列車が好きなんだ。夜行列車Howrah Delhi Kalka Mailは定刻通りの発車です。混まないうちに歯みがきとトイレを済ませ、寝台で横になって本でも読もうかな、と思ったとたんに意識が・・ああ・・遠のい て行く~・・

*脚注:撮影していたら車掌がやって来て、「ここは撮影禁止」と言われてカメラを取り上げられそうになったのだけれど、「まだ何も撮ってないだろ」 とか何とか全員で口々に叫び、車掌がまごついたスキをついて逃げてしまったのだそうで。ドン臭いおばさんには、そんな芸当はとてもできません。

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